
ある馬頭琴奏者の物語
ささいなことの中に大きな心理がある
ある少年が念願の馬頭琴教室のドアを叩く、すでに入部試験は始まっていた。
リズム 楽譜 センス 経験 遺伝・・・・・・
時が流れ 師匠がおっしゃられました。
その少年がドアを叩いた日、
緊張の余りか鼻血を出し、教室のどこに水場があるのかも知らないまま、師匠に連れられて水場へ向かう。
その少年の仕草が師匠の心をとらえて離さなかった。
何だと思われますか?
流れる血は上から下へ、だが水道の水は流れを知らず。
少年はわずかな紙に水を含ませ蛇口を閉めた。
そのささやかなしぐさの中に師匠が探していたものがあったらしい。
必要なものが・・・
ある少年のささやかな仕草
本当に美しいと思う